(6) X線吸収スペクトルの理論計算

X線吸収スペクトル(XASまたはXAFS)は、材料の電子状態を決定する有用な測定法である。しかし、スペクトルの解釈は難しく、様々な比較実験を通して類推する必要がある。われわれは多重散乱理論計算を用いて、X線吸収スペクトルを再現し、あわせて材料の電子状態を決定することを目指している。

★例 La1/3NbO3系材料の酸素 O K-edge XANESスペクトル (参考文献 2003
オリビン型LiMPO4は、いずれの中心遷移金属M(M=Mn, Fe, Co, Ni) においても、結晶構造は同一である。しかし、その電気化学特性は中心金属に対して大きく変化する。このような特性変化の理由について、包括的に理解するため、第一原理計算を用いて結晶構造・電子構造・イオン伝導・欠陥構造・界面エネルギーと電池反応との関係を定量的に調査し議論した。XANES