誘電体や圧電・強誘電特性を有する材料は、エレクトロニクスを支える基盤材料である。従来、誘電特性は材料が純粋イオン結晶であるという視点から理解されてきたが、より定量的には分極に伴う動的な電子構造変化も重要であることが知られるようになってきた。われわれは、Berry位相理論やDFPT (Density Functional Perturbation Theory)を用いて、Born電荷などを導出し定量的な材料評価を実践している。
★例 LiNbO3型結晶構造を持つZnSnO3材料の誘電特性1 (参考文献 2010, 2014)
最近、高圧合成法によりLiNbO3型結晶構造を持った極性酸化物ZnSnO3材料が合成された。この新材料の強誘電特性やBorn電荷を算出し、LiNbO3型材料の計算結果と比較考察を行った。